SSブログ

レールウェイズ [映画と本のお話]

DVDでレールウェイズを観た。
これは、エリートサラリーマンが昔あこがれだった地元の電車の運転手になると言うお話。

男の子というのは、何故か乗り物が好きだ。
飛行機だったり、バスや車だったりもそうだけど、電車が一番人気のような気がする。私にはちょっと解らない感覚。電車の運転手さんというのは小さな子供の人気職業なのだろう。
小さい頃 そんな地元の電車の運転手になると言う夢を見ていたはずが、いつの間にか東京でサラリーマンをやっていた。かなり出世しているのだけど、いろんなきっかけで 今の生活を捨てて 昔の夢を追う中井貴一。

そのきっかけの一つが地元に一人残っていたお母さんの入院。
この入院の話が出た時に、仕事でなかなか行けないと渋る中井に大学生の一人娘が言うのだ。「おばあちゃんが心配じゃないの?家族が入院したって言う時に 行けない仕事なんてない!」。
これに対して、「お前も大人になれば解る。社会はそんなに甘い物じゃなんだ」と返す。

この問いかけは なかなか難しい物をはらんでいる。
確かに、家族が入院したというと心配だし 駆けつけたいという気持ちがある。ただ、その時すぐに何もかもを投げていけるかどうかはすぐに答えられない。
だって、逆の事を考えてみよう。その入院した先のお医者さんが「実は母が入院したのでこれから実家に帰らねばなりません。今日の手術は中止です」と言って診察も手術もしてくれないとしたらどうだろう。
帰省する為の飛行機のパイロットが急にいなくなったので、飛行機は欠航です。となったらどうだろう。そんなのは組織として何とかしろとか 他の人が何とかカバーするべきだとか 我慢だって出来るだろうとかそれぞれの立場で言う事は簡単だ。
でも、今の仕事の環境は 人員も厳しく かつかつの状態で回っていることが多い。突然誰かが病気になった、怪我をしたと言って休むと、かなり厳しくなってくる。それでも、納期は守らねばならない。全体にそんな余裕のない社会になっているのだ。
だって、12時~14時で頼んだ宅配便が14時15分になったら烈火のごとく怒る人も居るし、逆に14時までに来なかったら 次の約束への移動ができなくて困ると言う事だってあるのだ。
全てが きちんと動く前提で流れている。

また、突然休みますと言って「いいよ」と言われると 本当に私は必要とされているのだろうかと不安になったりもするのだ。もしかして自分が居なくても滞りなく動いたりするのも怖いと言う気持ちもある。

そんな複雑な気持ちが 社会とかかわり、自分の仕事を全うしつつ、家族への気持ちも行動で表したいとなると、なかなか難しいのだ。

物語の中には1時間に1本の電車だからと、遅れてしまう乗客を待っているために いつも定時より5分、10分遅れてしまう事が美談として語られている。
確かに、待っててもらって乗れた人はありがたい。でも、10分送れたために商談が流れた人も居たかもしれない。遅刻したと学校でおこられたかもしれない。乗り継ぐはずの列車に乗れなかったりしたかもしれない。

宅配便が15分ぐらい遅れたっていいじゃないかと言える余裕、電車が10分遅れたって大丈夫と言える余裕を持っておきたい。

何故このDVDを観たかというと、この映画の舞台である出雲に旅行をする計画だからなのだ。
映画に登場した一畑電車(通称バタ電)にも乗る予定。
とっても楽しみ。

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 1

コメント 2

mei

深いですね。
なんだかとっても共感してしまい、なんていうか感動とでも言いましょうか。
そんな心境です。
by mei (2013-05-13 14:40) 

幸福もん

>meiさん
そういっていただけると 大変ありがたいです。
本当にいろいろ考えました。
by 幸福もん (2013-05-13 21:00) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。