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檀流クッキング [映画と本のお話]

最近のDancyuで料理本特集があった。
これに檀流クッキングと言う本の紹介があったので 読んでみる事にした。

これは昭和40年代に新聞に書かれたエッセーをまとめたものだ。
檀さんが 世の中の奥様方に料理の方法を伝授するというものだけど、レシピ本というものとはちょっと違う。料理はほぼ初めてですという人が読んでも これで料理をする事は難しい。
それは、調味料などの量をはっきり書かれていないからなのだ。
檀さんは、ご自分が小さな頃から料理を自分でやられていた方なので、料理を作る時にきっちり計ったりはしない。大体の量は身体が覚えていて、あとは舌で確かめて見なさいといった雰囲気。

そんな上でこの本を読んでみると非常に面白い。
昭和40年代にこの文章が書かれたときには、イタリア料理もフランス料理もロシア料理も日本人の舌でそれ程味が確立されていたとは思えない。そんな時に、ロシア料理などを 家庭でも作りやすいように説明する。また、お肉屋さんで安い内蔵肉などを買ってきて 美味しく仕上げるにはどうすればいいかということを語っている。
料理レシピというよりは、啓蒙書に近いと相方は言う。確かに。

そう言えば、昔はお肉はお肉屋さんで買っていた。
お肉屋さんは豚や牛なども一頭買いしている所も多かっただろうから 内蔵肉や背脂なども頼めば買えたはずだ。豚の内蔵肉を買うくだりで、タンを購入する時は、できればタンから心臓まで繋がった物を買い求めると良いなどと書かれている。さすがに今それはかなり難しいのではないだろうか。
今、私が買うのはトレイの上に乗っけられた正肉が殆ど。たまに、ブロックで欲しいものなどはお肉売場に事前にお願いしてカットしていない物を買ったりするけれど、そんな事をする人だって少数派だと思う。
しかも、スーパーのお肉売場では豚だって内臓ごとお店に納品されている所はかなり少ないのじゃないだろうか。
そう言えば、昔 お遣いに行った頃には ひき肉だって その場で挽いてもらったりしていたなぁ。

逆に、きりたんぽ鍋を説明する所では、自宅できりたんぽを作る所から説明してあり、「東京あたりでは舞茸は手にはいらないかもしれないが、しいたけでもえのきだけでも入れればよい」と言うようなくだりもある。
自分で作るきりたんぽというのも面白そうだが、今は舞茸も普通に手に入るので きりたんぽ鍋もおいしく出来るのだ。

分量などがはっきり書かれていないこの料理本だけど、どれもちょっと自分で試してみたくなる物が多い。自分で試行錯誤してやってみたいのだ。春から夏、秋、冬と時期に添って書かれているこの本を手に、檀さんちの料理を我が家でも試してみたい。

檀流クッキング
檀一雄著
中公文庫


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mei

週末の運動会に備え、お弁当の料理本を出して、読んでいたのですが、中に1冊、なんかこれ大分古そうだなーという本があり、発売年月日をみたら、35年前の物でした。
今なら、きっとこの材料だよなーってものが違っていたりして、息子と一緒に笑って眺めました。
まいたけなんて、子供のころはなかったですもの。
きりたんぽも、大学生の時、秋田出身の友人に取り寄せてもらった初めて食べました。今はスーパーでも買えますね。
ありがたいです(^^)。

by mei (2013-05-31 11:25) 

幸福もん

>meiさん
今日あたりが運動会だったでしょうか。
どんなお弁当を作られたのでしょうか。

料理ってどんどんかわって行っているのだなぁと実感しますね。
環境も含めて。
by 幸福もん (2013-06-01 17:51) 

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