SSブログ

壽屋(ことぶきや) [遠くの食卓(国内の飲食店)]

2010年春の列車の旅 その4

2日目は早々に京都を離れて金沢へ。相方は金沢は初めてで 今回、観光らしい
観光を企画しているのは金沢のみ。京都で昼食を食べてから移動というのも
考えたのだけど、また来そうな京都でのランチよりも、金沢での食事を増やそうと 
朝から特急に乗って移動。

金沢に到着したらもうお昼ご飯の時間。加賀の会席料理をいただこう。
江戸時代の町家を使った店舗で会席料理や精進料理を食べることができるのが壽屋。

広い玄関を入ると 天井が高く風が気持ちよく吹き抜けていく。
時間が少々早かったせいか、人の声があまり聞こえない。どうやら天井が高いのと、
ふすまや障子などで仕切られた個室でお食事をいただくので、人の声が響かないようだ。
広いお屋敷の中で静かに食事をしている気持になる。

我々が通されたのは2階の個室。畳のお部屋にテーブルと椅子を置いて 腰掛けて
食事をするようにしてある。壁が群青色のお部屋は明治時代の書院造りの座敷らしい。
外は暑くなりつつある時間帯なのだけど、開け放たれた窓からは気持ちの良い風が
吹いてくる。

この日いただいたのは お昼の会席料理。
美しい陶器や塗りの器で少しずつ出されるお料理。ぱっと見た目は普通なのに、
よく見ると精進料理の手法で作られた料理などが入っていて面白い。

お刺身には甘エビやイカなどと一緒に胡桃の刺身というのが入ってくる。胡桃を
すりつぶして固めたものを刺身状に切ったもの。魚貝類には普通の醤油なのだけど、
胡桃は味が繊細で醤油では負けてしまうからと 煮きりに出汁を合わせたものが
醤油とは別の小皿でついてくる。
食べた感じは、もっとくるみが主張するのかと思っていたけれど、ナッツ特有の
ネットリ感はなく あっさりつるんと仕上げてある。胡麻豆腐からネットリを
抜いたものといった感じ。

また焼き物で登場したのは、一見うなぎの蒲焼きに見えるもの。
ちゃんとはじかみまで付いている。
壽屋.jpeg
これは蓮根をたたいてつくったもの。ちゃんと裏側には海苔を貼って うなぎの
皮の部分を表現してある。食べてみると、もっちりしていて「あぁ、本当に蓮根だぁ」
と思う。蒲焼きになっているけれど、味は似せていない。蓮根特有のもっちりの
中に少々粗めのしゃくしゃくの塊が入り、蒲焼きのたれもやや控えめ。脂がのって
いるうなぎと違って、蓮根団子だとたれが付きすぎていると味のバランスが悪い
のだろう。形はちゃんとうなぎを開いた時のように中心部にくぼみをつけて
あったりして芸が細かい。

おしのぎとして出てくる韃靼蕎麦は明らかに緑色をした蕎麦。色が本当にきれい。
ちゃんとそば湯も持ってきてくださるのだけど、そば湯は白濁していなくて 
透き通った黄色。韃靼蕎麦の香りがする。一時期韃靼蕎麦茶に凝ったことが
合ったのだけど、ここまできれいな黄色ではなかったなぁ。

最後に出てきた椀のデザートは 黒ごまのお汁粉。
蓋を開けると塗りの黒の肌に黒い汁で 写真で見ると余計に何だか解らない。
仲居さんも、黒に黒で本当に写真写りが悪いんですと笑う。中には真っ白な
白玉が沈んでいるので、それではと付いてきたスプーンで白玉をすくって
一緒に写真を撮ってみると、やっと何なのかが解る。
この汁粉もあっさり仕上げてある。胡麻の量を多くすると油分が多くなって
ねっとりしてしまうし、少なければ胡麻の味が薄くなる。そのどちらも
たてられるように作られている。汁粉を飲んでも喉がけほけほしない。
私は濃い汁粉を飲んで 喉にまとわりつく感じがあまり好きではないのだ。
中に入っているふんわりした白玉と一緒に口に入れると幸せ。

金沢も美味しくスタートだ。

前菜(真子蒸し物)
刺し身(甘えび・かんぱち・いか・くるみ)
焼き物(蓮根の蒲焼)
おしのぎ 韃靼蕎麦
椀 物(豚の角煮 くずあん)
お食事(筍ご飯)
芝麻糊(黒胡麻のお汁粉)
ヱビスビール、日本酒:てどりがわ

壽屋
金沢市尾張町2-4-13
076-231-6245
11:30-14:00 18:00-(入店は19:30まで)

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。