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スタジオジブリ レイアウト展 [映画と本のお話]

ただ今 新作「借り暮らしのアリエッティ」公開中のスタジオジブリ。
このスタジオジブリのレイアウト展が札幌芸術の森美術館で開かれている。
札幌芸術の森美術館は 札幌の郊外にある美術館で ちょっと離れている
ので必ずしも行き易い場所というわけではないけれど、森の中に美術館や
イベント用のスペースがあって なかなか良い雰囲気の中にある。

スタジオジブリの作品は全て見ているわけではないけれど かなりの数を
見ている。中には、これもスタジオジブリ関係者の作品なの?と思われる
「となりの山田君」や「じゃりんこちえ」などもあった。

レイアウトというのは アニメーションを作る時の設計図のような物で 
各シーンごとの原図にあたる。これを元にアニメーターは動く人物などを
書き、美術さんは背景などを書いていく。キャラクターなどの動く部分と
背景は別々に仕事をするので このレイアウトがはっきりしていないと 
あわせたときにばらばらな物ができてしまう。
レイアウトにはキャラクターの動きや大きさパースなどの画像だけではなく、
背景をどれくらいの速度で動かすのか、どんな風に描いて欲しいのかという
指示が細かく書かれている。
アニメーションの技術というものに驚かされる。1秒間に24コマ入り、
1コマで何センチ動くから 全体では何センチの背景が必要なのかとか、
裏から光を当てるポイント、そのポイントに従った作画。背景が動くと一言
で言っても 全てが同じ方向で動くわけではなく、ひとつは右に動き、
一つは斜め上に動くとか、速度を違えて動くなど さまざまな指示が書かれている。

素人考えでは、ぽにょや湯ばーばなどキャラクターを考えれば それで
アニメーションが出来ると思ってしまうけれど、どう動かすのかという事で
世界観が決まってしまう。我々の世界では 色んな物が動いている。止まって
いる物でも、走ったり乗り物に乗ったりして 自分の視点が動く事によって
動いていく。そんな動きの質や状況を表現してこそのアニメーションなのだ。

レイアウトというのはそういうものを操る 交換日記のようだ。
中には 一旦決めたレイアウトをあわせてみたらうまく表現できていなかったので 
書き直しをお願いする文章などが添えられていたりする。

これを見ていると、アニメーションでやれることの技術を知っていることは
もちろんだけど、監督の頭の中では フィルムとして生き生きと動いている
のだろうな。それを紙に写し、スタジオの人たちに伝えるのがレイアウトなのだ。
その生の声、息遣いが良く解る。

今回 有料のガイドを借りて回った。これには 実際に作業に携わった方が
解説をしてくださる。そしてそのアニメーションのテーマ曲がBGMとして
流れたりする。これは是非借りるべき。
夢を与えるアニメーションに 多くの作業と苦労がつまり、コダワリを持って
作っていくから出来上がっているのだという事が判る。映像を見ているとき
にはそれに浸るのがいいのだけれど、終わった後に いろんな人の想いを掴んで
みるのも楽しいだろう。
この展覧会を見ると スタジオジブリの作品をもう一度見直したくなる。
そして、見ていなかった作品も見たくなる。

美術館を出ると、芸術の森の敷地内でジブリ関係のイベントがいくつか行われていた。
その中に、まっくろくろすけを描こうというのがあった。係の人に言うと、
真っ白なまあるいシールをくれて、そこに黒マジックでまっくろくろすけを
書くのだ。お手本なんて無いから、自分の頭の中にあるまっくろくろすけを描く。
まっくろくろすけって、どんな風になっていたっけ。
まっくろくろすけ.jpeg
そして、そのシールを貼る場所があるのだ。既にそこにはおびただしい数の
まっくろくろすけが貼られていた。そこに自分の描いたモノを貼った。
せっかくだからとデジカメを出してファインダーをのぞいたらもう自分のが
どれだか解らなくなって驚いた。
いろんなまっくろくろすけ。それらを見ていると、本物ってどんなんだったけ?
と更に自分の記憶が怪しく思えてくる。
まっくろくろすけって、どんな風になってたっけ。

スタジオジブリ レイアウト展
8月29日(日)まで
札幌芸術の森美術館
札幌市南区芸術の森2丁目75
011-592-5111
9:45-17:00   この期間中は無休

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mei

私はアニメが大好きで、中でもやはりジブリ作品は別格。
ナウシカは20回くらいみていますね。
トトロも大好きです!
見ていると自然と顔がにやけます(笑)。
by mei (2010-07-27 11:23) 

幸福もん

>meiさん
ジブリ作品ってやっぱり良いですよね。
それを表現するために、こんな風に妥協しないでやっているのだと
思った展覧会でした。
by 幸福もん (2010-07-27 23:12) 

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