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おでん 一平 [近所の食卓(札幌圏の飲食店)]

暑くなってきたこの時期だけど、一平に行きたくなった。
ビストロカワサキであらかた食べたけど、まだ少々おなかに余裕もある。
もしかするといっぱいで入れないかもしれないけれど、まぁ行ってみよう。
一平.jpeg
一平はおでんやなのだけど、一般的なおでんやとはちょっと違う。
大根やはんぺんなどの一般的なネタのほかに、ふきやアスパラ、銀杏、
たち(たらの白子)など他では見かけないものがある。出汁は澄んだ金色で、
これにひとつひとつ選ばれた素材が、おのおの最適の下ごしらえをされて、
それぞれの時間で出汁にひたされる。
じっくりと時間をかけて入れられているものもあれば、さっと洗うように
出汁にくぐらせるだけのものもある。
それに、刺身もある。これ以外にも、メニューとして出ていない小鉢があったりする。

おでんと言うと冬の食べ物だけど、一平は旬の食べ物を食べに行く寿司屋の
様な感覚で行きたくなるのだ。

はんぺんは神茂。真ん中がこんもりと盛り上がったものを半分に切ったものが
一人前だけど、テトラパック位の大きさがある。ふうわりした感触は舌の上やさしい。
しいたけは大統領というシロモノ。肉厚で直径10センチもあろうかという
しいたけには2センチ幅くらいの隠し包丁が格子状に入っている。
噛むと充分含まれていた出汁がじわっと染み出る。
ねぎまは、それは火を通すのはどう考えてももったいないでしょうという
刺身に使うトロを やや厚めに切り出し、出汁で火を通してよく煮たねぎが
隣に添えられて皿で登場する。粉山椒がよい香りをはなってる。薄く残っている出汁は、
マグロの脂がきらきらしている。

大将と話をしている内に、その日は高齢のご両親をお子さんが連れてくる
と言う予定が入っていたらしいと言うことがわかってくる。一平は予約が
殆ど出来ないところだけど、開店と同時に入られるのだろう。「この日に行きます」
という連絡が入るらしい。
その高齢のご両親は、日ごろ体調が悪かったりしても「美味しいものを食べたい」
という気持ちで一平の日までには元気になられるらしい。美味しいものを
食べたいという気持ちは 人を元気にさせる。
年を取って自分でご飯が食べられるのは重要なことなんだと思う。
そんな方がいらっしゃると 仕入れにも力が入ったらしい。

大将にはずっと美味しいおでんを作っていてもらわなければ。
大将はあと9年で75歳だから そうしたら店を畳むと言う。
9年後 途方にくれる自分を想像する。相方も私ももう20年近く来ているお店。
そんなお店がなくなってしまったら どうすればいいのだろう。
ただ、一平は奥さんと大将の2人でやっているお店で、市場での買い付けから
下ごしらえ、そして客の相手まで2人だけでやっている。

この日、くしくも薄野のバーでこの人を知らない人はいないという 
バー山崎の山崎さんの米寿の御誕生日だった。また38歳でお店を始められた
バー山崎の50周年でもある。
米寿を迎えられても現役で毎日お店に立っている山崎さんはすごい。
そして、銀座のすし屋 すきやばし次郎の次郎さんにも長く現役でいて欲しい。
せめて私が食べることが出来るその日まで。
そんな山崎さんも次郎さんも、お店を支える他のスタッフがいるのだ。
お二人だけで続けている一平の大将と奥さんにはもっと大変なことだろう。
できるだけ長くお店を続けて欲しいと切に願う。
逆に言えば、そう思える人とお店に出会うことが出来たことを幸せに思いたい。

この日私が食べたネタ
はんぺん
しいたけ
卵(半熟)
アスパラ
ねぎま
がんもどき
(相方と半分ずつだけど、2軒目でこれはどうだろう)

おでん一平
北海道札幌市中央区南三条西3 克美ビル 5F
17:00-22:00 日曜休み

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コメント 2

mana

おでん一平
名前は知っていましたが
行ったことありませんでした

すごく美味しそう
今度主人と行ってみます


by mana (2008-07-04 00:32) 

幸福もん

>manaさん
一平のおでんはおでんという物への見方を変えてしまうと
最初に行ったときに思った位です。
是非いらしてみてください。
by 幸福もん (2008-07-04 20:52) 

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