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クーカル 小笠原伯爵邸 [遠くの食卓(国内の飲食店)]

軽井沢旅行その2

今回、軽井沢に来ようと思ったのは相方がある情報をつかんできたから。
軽井沢に夏の間だけ 食のイベントが開催される。それがクーカル。
期間限定で、会場が設定されて日替わりで有名シェフがコース料理を作る。
かなり興味深い。興味深いことは首をつっこんでみよう。

我々が予約を入れた日は小笠原伯爵邸という東京河田町のスペイン料理
のお店。そこのシェフ ゴンサロ・アルバレス・メルチョールさんと
永島健志さんがクーカルの会場で腕をふるってくれる。
我々が予約をしたのはカウンター席。シェフが目の前で料理を盛り
つけたり、サーブしつついろんなお話しをする。多分、本店では
こんな機会は無いだろう。目の前で出来ていくお皿や 盛りつけの
手元に目を見張る。
キッチンはいつも働いているキッチン頼も多分ずっと狭く、勝手も
違っただろう。しかし、完成度の高い料理が次々と出てくる。

今回のメニューにはプランチャというのが沢山出てくる。
このプランチャというのはプレートの意味かと思っていたら、
「グリル」と言うことらしい。本当に沢山の焼きの料理が出てくる。
どれもこの焼き加減、火の通し加減が絶妙。

前菜の一つ、フォアグラのプランチャは フォアグラの表面には
粉をはたいてかりっと仕上げられ、中は柔らかで、とろっとした
感じが口の中で溶ける。
トマトのガスパチョには大きな蛤の身が沈んでいるのだけれど、
この蛤は火が通っている様なのにふんわりとしていて 堅くなって
いない。口の中でかみ切れる堅さで、噛みしめると中から潮の香りが
ぷちゅっと出てくる。

一番気に入ったのは 小松菜を詰めた小いかのプランチャ。
クーカル.jpeg
小松菜やナッツをイカ胴体に詰めた物がイカスミのソース・里芋の
クリームの上に乗っている。里芋のクリームもねっとりとしていて
面白い食感と味なのだけど、その上のイカは表面は火が通って
赤紫の色がほんのり付いている。中側はレアでイカの身に透明感が
ある。中に詰めた小松菜はかなりフレッシュな状態でさくさくとした
食感が残っている。

どうやったらこんな風に火を通せるのだろうか。
目の前で説明してくれた永島さんによると、やさしくやさしく火を
入れているということ。焼きはゴンサロ・アルバレス・メルチョールさん
が担当していて 小さい頃からやっている彼のこの火の入れ方は
僕らではかなわないんです と言うこと。
焼き場は壁の向こうで、どんな風に焼いているのかが見えないのが
本当に残念なのだけど、出入り口脇に置かれているサラマンダーを
使っているのが見える。棚を火に近づけたり遠ざけたりしていて 
あまり長いこと入れていない。多分、最初に鉄板で表面を焼いて 
あとはゆっくりと火を通しているのだろう。
焼くという作業の奥深さを感じる。

私はいままで あまりに急いで火を通しすぎていたのではないだろうか。
ちょっと時間をかけてグリルをしてみたいと思う。ただ、最初に
表面を焼き固めないと美味しい肉汁は出て行ってしまう。
材料の柔らかさを感じながらこの兼ね合いをはかる。料理をしたい
気持ちがもりもりとわき出てくる。何とかしてこの美味しい「焼き」
に近づきたい。帰ったら試行錯誤してみよう。

ちなみに、最後の方に出てくるスミイカのアロスは イカの身を
使ったリゾット。通常リゾットはもっと前の順番なのだけど、
小笠原伯爵邸では日本人はご飯は最後だろうと最後の方に供される
らしい。このリゾットも米がアルデンテに仕上がっていて、美味しかった。

珍しい材料を使ってあったり、盛りつけも美しかったり、ソースも
美味しかったけれど、何より圧倒されたのは火の通し方。
これは河田町にも行ってもっと食べてみたい そう思った。

<メニュー>
黒オリーブのグリッシーニ
カリフラワーのクリームといくら
フォアグラのプランチャ イチジクのコンフィとヘーゼルナッツ
帆立のプランチャ カボチャとサフランのクリーム
トマトのガスパチョ はまぐり・青梅のブルノア
小松菜をつめた小いかのプランチャ ナッツと里芋のクリーム
いさきのプランチャ 青リンゴのピューレ 赤座エビのファルサレット チンゲン菜のマラガ風味
信州和牛のプランチャ 西洋ごぼうとエシャロットのコンフィタイムの香り
スミイカのアロス 海草とうに
メロンとミントのスープ
オレンジのシャーベット ヨーグルトと赤い果実
エスプレッソ
シャンパン
白ワイン:Carrasvinas
赤ワイン :Ramon Bilbao

Cu-Cal クーカル
軽井沢の夏だけの軽井沢フードフェスティバル
今年は8/1〜9/15
24人のシェフが日替わりで登場するシェフズテーブルと
予約のいらないクーカルカフェがある。
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コメント 4

うさこ

焼くことひとつとっても、加減ややり方で随分違うものなんですね。そういうのが料理の奥深さ。なのでしょうか。
by うさこ (2008-09-13 12:30) 

幸福もん

>うさこさん
今回はこの小笠原伯爵邸と今日書いたエルミタージュ・ドゥ・タムラでも
「焼き」について考えさせられました。
簡単な調理に見えて、程度に熱を入れると言うことの奥深さを
感じました。
by 幸福もん (2008-09-13 21:58) 

ryuji_s1

クーカル 小笠原伯爵邸
素敵なレストランお料理も充実していて
楽しめますね
by ryuji_s1 (2008-09-18 13:37) 

幸福もん

>ryuji_s1さん
クーカルはもう終わってしまったのですが、もしかすると
また来年も来ちゃうかもしれないねと話すくらい
面白いイベントでした。

by 幸福もん (2008-09-18 20:38) 

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