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町家に泊まる [旅のお話]

京都食べ歩き その2

今回の旅の目的の一つに町家に泊まるというのがあった。
相方が懸賞で町家の宿泊券をあてていたのだ。
今回泊まる町家はホテルや旅館とは違って、町家を1軒1日だけ
貸借契約を結んで借りるというもの。旅館ではないので、宿の人は
常駐せず 現地で待ち合わせて鍵を借りて 1晩泊まって翌日お返し
すると言う感じ。

今回選んだのは 西六角町にある以前は染物やさんだったという
小さな町家。行ってみると、表に我々の名前の書かれた表札がかかって
いた。ちょっと嬉しい。本当にこの場所に住んでいる様な気がする。
がらがらがらっと玄関の扉をあけると奥に向けて 土間が続いている。
その土間の先に台所。台所は靴を履いた状態で行き来する。以前は
ここは中庭まで通じた中通路だったのだろう。かまどの後ろをお隣さん
が抜けていく通路になる。そんな町家特有の建物。

この土間部分は2階までの吹き抜けになっている。かまどがある部分は、
熱がこもらないように こんな風に吹き抜けになっていることが多かった
とか。ここ以外の場所は、昔の日本人サイズになっていて天井や鴨居が低い。
163センチの私でも頭をぶつけそうな場所が幾つかあった。

1階部分には玄関、6畳の部屋2つ続きの奥に増設されたお風呂・
トイレの水周りと箱庭がある。二階へは一見押入れに見える
「押入れ階段」を上っていく。押入れの横の扉を開くと階段が
出てくるなんて 忍者屋敷のよう。この階段が非常に急で、かなり
注意して上り下りしていたのだけど、最初に3段くらいを滑り落ちて
しまった。階段を落ちるなんて本当に久しぶりだよ。

2階は6畳1間と、板張りの大きなフロア。通りに面した窓は 
虫かご窓という漆喰に 縦にスリットが入った 虫かごのような
窓が壁一面についていた。薄暗い室内にスリットから縦長の光が
差し込んで 部屋をストライプに照らす。
町家は京都の暑い気候に合わせる為に発達した住居形態だという。
間口が狭くて奥が深い うなぎの寝床の敷地で、風が表から裏に
抜けやすい構造になっている。
染物やさんだったというこの家も 染色したものを乾かすのに
使い易い構造だったのだろう。
床の間 1.jpeg

この貸し出しの町家には 簡単な食器や冷蔵庫などの身の回り品
に加えて 骨董品も多く置かれていた。畳の部屋には それぞれ
床の間がつき そこにはお花が生けられ、掛け軸なども掛けられ
ていた。また、モダンな間接照明が付けられていて、全体に
和モダンな空間になっていた。
テレビはついていない。家の中に静かな空気が流れていて 
外の音がよく聞こえる。

テレビがない代わりに、無線LANが完備している。Ipodtouchで
翌日のバスのお得な運賃を調べたり、天気を調べたりと大活躍。
これで十分だ。特に日本語が読めない人が泊まったときには、
テレビよりもネットに繋げられる方が情報が取りやすい。静かな
空間と便利の両方を得られる。

外人さんが感じるところのニッポンをとても強く感じる。
我々にとっては非日常の空間。ここに住んでいたひとの暮らしに
思いを馳せる。

タグ:町屋
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うさこ

町家に泊まるって、まさに普通に住む感じなんですね。ずっと気になってたんです。テレビがないのもいいなあ。素敵な旅。
そういえば滋賀の以前の実家は京都に近いせいか、ちょっと似たつくりでした。階段が急すぎて、あわてて父が手すりを取り付けたり。子供には寒くて暗くてあんまりだったけど、建て替えた今ではちょっと懐かしく思い出したりします。長年の暮らしが馴染んで作り上げる空気って、いいものですね。
by うさこ (2009-01-22 12:43) 

幸福もん

>うさこさん
町家には今回初めて泊まりましたが、とっても良かったです。
他にも、川床があるおうちなどもあり 暖かい時期だったら
そっちも良かったなぁと思いました。
食事などは付いていませんが、近くに食事に行ったり、
お散歩したりとしていると本当に暮らしているような気がしました。
by 幸福もん (2009-01-22 22:37) 

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