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ベーキングポーダー [まつわらない話]

我が高校の家庭科の先生のお話をしよう。
ベーキングパウダーをベーキングポーダーと呼び、中華鍋をしな鍋と
呼んていた。夏になると白衣の下からは素足が出ていて、当時は60代
ぐらいに見えた。しかしよく考えてみれば、公立高校だったし定年も
あるので60代って事はないだろう。高校生からすれば大人の年齢なんて
よく解らなかっただろうし。

そんな家庭科の先生には色々な記憶が残っていて、その中の一つが
椎茸の軸について熱く語った話だ。
椎茸の石突きや軸は見栄えの部分などから切ってそのまま捨ててしまう
こともままあるが、我が先生は生徒達に絶対に捨ててはいけないと
繰り返すのだった。椎茸の軸は味も出るし、歯ごたえも独特だから
手で裂いて必ず使うこと、絶対に絶対に捨ててはいけませんとおっしゃるのだ。
その教えを受けて私は椎茸の軸は手で裂いて炒め物などに一緒に使う。
相方はえっ、椎茸の軸は何だか歯ごたえが悪いし、味もあんまりだなぁ
とのたまうのだが、ベーキングポーダーの先生はそう言ってらしたのだ。
私はもう数十年その教えを守っている。

小学校・中学校・高校・大学といろんな先生に教わってきたにも
かかわらず、覚えている先生はあまり多くはない。その中でベーキングポーダー
の家庭科の先生は忘れられない。椎茸を見る度に思い出す。中華鍋を
見る度に思い出す。そんな風に何かを見たら思い出す人になれるというのは
良いなぁと思うのだ。
私も、そんな人にちょっと憧れる。
あの10代の頃に、この家庭科の先生に憧れるようになるとは思っても見なかったけれど。


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miopapa

何かに連想・・・ってわけではありませんが
私も、高校時代の生活指導とクラブ/ラグビー部の顧問をしていた先生で
どんな時にでも、直ぐに
”若干”という言葉をつけて話すくせがあり
勿論、そのままあだ名になっていましたが
今でも、この漢字を見ると、
苦しかった部活のことや、叱られた思い出に直結でぇーーーす!

by miopapa (2009-06-21 13:20) 

幸福もん

>miopapaさん
記憶って本当に面白いモノで、正しいモノや当時好きだったモノ
を覚えているわけではないのですよね。
人も一緒で、大変お世話になった先生などよりも強烈に覚えている
先生がいらっしゃるのです。不思議です。

by 幸福もん (2009-06-21 20:51) 

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