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エルミタージュ・ドゥ・タムラ [遠くの食卓(国内の飲食店)]

早春の東京軽井沢 その10

軽井沢にこんなに行くようになったのはこのお店と出会ってしまった
からかもしれない。
エルミタージュ・ドゥ・タムラはそんなお店だ。

にっこりと笑ったマダムに迎えられて、居心地の良いお家でもてなして
貰っているような感じ。軽井沢周辺の懇意にしている農家さんから仕入れる
野菜や果物、そして山菜も。そんなその時々の物を使ったフレンチがあるのが
ここなのだ。

食事をしているときにも、「そのアスパラは今年最初のアスパラです」
「今日はとってもあまいキャベツが届きました」など、食材についての
マダムの声が届く。もちろん、お皿を持ってきて貰ったときにホールスタッフ
から大体の料理の説明などは受けるのだけど、食べてしばらくしたところで
「もうこのあたりでふきのとうが採れました」などと言われると 嬉しくなる。
美味しい食材を育ててくれる人がいて、それを料理してさらに美味しく仕上げて
くれる人がいる。それはもちろん、運んでくれる人も、お店の方々も含めて
いろんな人がいてくれて美味しい物が食べられているのだなぁと繋がりを強く感じるのだ。

ここのお料理は一筋縄では行かない物が多い。
ふぐのカルパッチョの上にはぱりっと甘いキャベツが大きめにちぎってふんわり
とかぶせてあり、その上からセルバチコ(ワイルドルッコラ)が被さっている。
その上からからすみを削った物をかけてあるのだ。
ちょいと苦みがあるセルバチコと、厚みがあってぱりっとしたキャベツを少し
食べてよけないと河豚のカルパッチョが見えてこない。
そうやって出てきたふぐのカルパッチョはしっとりもちっとしたふぐの身と
オリーブオイルが絡まって美味しい。しゃくしゃくと野菜も沢山いただく。
それぞれの野菜にはいろんな個性があって、甘い物だけではなく、大人の味の
苦い物も含めて バラエティ豊かだ。
エルミタージュドゥタムラ.jpeg
たらの白子のフライはふきのとうのリゾットの上に乗っている。リゾットとは
言っても、ぱらりとしていてどちらかというとピラフに近い感じ。春の山菜は
苦みが楽しい。細かく刻んだふきのとうとその他の野菜とお米が一緒になって、
お米も含めてサラダのよう。今回の旅行に来て、毎日白子を食べているねと笑うほど、
何故か毎日食べている。丁度今が一番美味しい旬の素材なのだね。白子は衣を
つけてカリッと仕上げてある。しっとりぱらりのお米とカリッとした衣の中から、
とろーりと柔らかいクリームのような白子が出てくる。1皿の上で歯ごたえも
味もいろんな物が味わえる。

フォアグラのフランはここのスペシャリテ。
フォアグラを使って作った茶碗蒸しにブイヨンの餡をかけて、生のなめこを
たっぷりと入れた物。ふるんとした茶碗蒸し部分とブイヨンと生なめこの餡の
ロワイヤル(2層タイプ)になっているのだ。もちろん、フォアグラを使った
部分はねっとりとしたフォアグラ感がたっぷりなのだけど、フランになっている
のでフォアグラそのものよりも軽くふるんと出来上がっている。生のなめこは
ちょっと歯ごたえも感じられてなめこの味を堪能できる。最初は別々に食べて
いたのを、だんだん混ぜるようにして一緒にしながらいただくのも 味の印象が
変わって面白い。

どのお皿も、いくつかの味の変化を楽しみながら食べられるものばかり。
今回はお魚が多めのコース構成だったのだけど、そう感じさせない。こってり
した物も、あっさりした物もあって面白い。海苔のソースなど、これはっ!
と思う物もあったりして、お皿が出てくる度に楽しい。
出てくる度に嬉しく 嬉々として食べている私に対して、相方はお昼に食べた
お弁当が少々お腹に残っていたようで、段々と食べるペースが落ちてくる。
美味しくて、とても食べたいのだけどお腹がいっぱいという。
そんな可哀想な彼のために私は一口、二口と引き受ける。非常に非常に残念そう
な相方。またやってしまったよ、とお腹をさする。前回も今半のお弁当が残って
いたのだったよね。やっぱり丼系はダメだよ。

エルミタージュ・ドゥ・タムラはこの翌日から1ヶ月のお休みに入るところだった。
避暑地である軽井沢という場所柄もあり、夏期と冬期では客数も大きく違うと
言うこともあり、毎年2月は1ヶ月間お休みにするらしい。社員研修をかねて
長い海外旅行に行ったり、お店の中の大きな工事をしたりと ハードもソフトも
充実させる1ヶ月なのだろう。
そういう生活って良いなぁと感じる。きちんとお休みをして 気持も充填するから
また次の年のお料理が美味しくできる。

是非叉来たい。多分、ここに来たくてまた長野新幹線に乗るのだろうな。
こんどは丼系統は買わないよ。ホントに。


<この日エルミタージュ・ドゥ・タムラでいただいたもの>
アスパラのパートブリック包み
ふぐのカルパッチョ セルバチコ添え
あおりいかのお皿
アワビのハンバーグ仕立て
たらの白子のフライ ふきのとうのリゾット添え
フォアグラのフラン
白身魚のソテー海苔のソース ジャガイモのガレット添え
牛赤ワイン煮 ラビオリと温野菜
食前酒:グラスシャンパン
ワイン:CHATEAU DE CUGAT2005
抹茶チョコの水饅頭
カフェ風味のブラマンジェとアイス
小菓子
エスプレッソ
(胃袋の事情でチーズは断念)

エルミタージュ・ドゥ・タムラ
軽井沢町松並木通り3874-2
TEL:0267-44-1611
12:00-13:00 18:00-20:00
完全予約制
月火休み 冬期は休業日多く、2月は完全にお休み

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