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南禅寺 [旅のお話]

2010年春の列車の旅 その2

さてお昼ご飯も食べたし、夕食まで時間があるから観光するか。
京都は観光する場所には事欠かないけれど、有りすぎて逆にどこに行こうか
決め手に欠ける。例によって例のごとく食事をするところは熱心に調べてくる
のだけど、観光となると余りよく調べてこない我々。
ひとまず 駅の観光案内所で地図を貰って どこにしようかな。

相方が南禅寺には行ったことがないというので南禅寺に決定。南禅寺と言えば
豆腐なのだけど、この日はこの後もかなり気合いの入ったお店が待っているので 
豆腐は食べないよ。
最寄りのバス停から降りててくてく歩く。ここが結構長い。閑静な住宅街のような
所を歩いて入っていくので 見通せずに本当にこちらで合っているのだろうかと
不安になるくらい。京都の街は 寺社仏閣と一般の住宅が近接している。我々に
とっては観光地だけれど 確実にここで生活をしている方々がいる。それはローマ
でも同じように感じた 不思議な感覚だ。京都やローマの人にとっては そこに
それがあるのが自然であり、日常なのだろうと 町を歩きながら考える。

南禅寺には多くの重要文化財や国宝などがある。
まずは三門に登ってみようか。三門は南禅寺法堂の前にそびえる大きな門。
階段を使って上部まで登ることが出来る。我々が行ったときには丁度 修学旅行生
1グループと一緒になった。先生が、「はい、男子が先に登る。男子!」と言って
らしたが 何故なのかすぐに解った。階段が非常に急なのだ。1段1段の高さも高い上、
狭い。手すりの脇に備え付けられている荒縄に掴まって登る。これは20年後に
同じように登れる自信はない。
そんなもの凄い急な階段を上って抜けると心地よい風が吹き抜けるベランダ状の
場所だった。(正しい呼び名が解らないというのは恥ずかしくも不便な物だ。)
眼下には緑が広がり、新緑の季節を強く感じる。子供の掌の様な葉っぱも見えるから、
紅葉の時期にはさぞかしきれいなのだろう。そう言えば南禅寺は紅葉でも有名だったっけ。
丁度目の前に瓦屋根が見えて角には鬼瓦が見える。龍の形だろうか。
ぐるりと360度まわって周りを見渡すことができる。心地の良い風に吹かれて 
しばし涼んだ後、再び急な階段を下りる。後ろ向きになって降りたくなるが、
一応前向きで降りてこれた。

まだ少々時間があるから 方丈庭園も見ていこう。
南禅寺はその名が示すとおり禅寺である。ここで座禅などを組んで修行をする人は
どのあたりの場所で修行をするのだろうかなどと考えながらまわる。清涼殿には
狩野派の方々が描いたふすま絵が多々ある。どれも金が貼られて薄暗い中でも
ぼんやりと光を放って見える。昔は光源が少なかったので、少ない光の中に金色の
屏風はきれいに浮かび上がっただろうと思わせる。
方丈庭園は場所場所でテーマを決めて お庭が作られている。石の形や配置で
極楽や地獄なども作られている。全体に色味が少なく 水墨画のような雰囲気を
漂わせるお庭が多い。
この中で自分と向き合って修行をするのだろうな。
南禅寺.jpeg
さて、そろそろ宿に帰って夕食に行く準備をしようか。
結構沢山歩いたから 程よく疲れて 按配よくお腹もすいてきた。

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miopapa

こうしてblogを通して拝見する私たちにとっては、
幸福もんさんの
自分だけの思い出がいっぱいに詰まった
世界に一つしかない
自分だけの、小さな絵はがきでもありますね・・・・・

by miopapa (2010-06-17 17:30) 

うさこ

幸福もんさんの旅はおいしい旅。いつも楽しみです。この後待っているという気合いの入ったお店も早く知りたい・・・。
南禅寺、私も学生の頃、古美術サークルで何度か行ったので懐かしいです。特に方丈庭園が好きでした。毎年同じ5月頃に行っていたのに、行く度に庭に対して感じるイメージが違っていたような気がします。いちおう成長途上の人間だったからかな。などと安易に思う今の自分。成長してない感が・・・。
by うさこ (2010-06-17 20:50) 

幸福もん

>miopapaさん
本当に、1つのシーンにそれぞれの思い出が詰まっています。
お話しできるのが嬉しいです。

>うさこさん
楽しみと言っていた蹴るととっても嬉しいです。
気合いの入ったお店は、書いているうちに かなりの長文になってしまい
申し訳ないです。
方丈庭園 良かったです。
いつまでも発展途上なのではないでしょうか。
人には 本人が思っているよりも沢山の伸び代があると思います。
by 幸福もん (2010-06-17 22:54) 

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