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探偵はBARにいる2 [映画と本のお話]

もう公開してしばらく経った映画なのだけど 先日の平日お休みの日に観にいってきた。
前回 冬のさっぽろでロケを行った「探偵はBARにいる」の続編。

ちょっと情けない感じの探偵を大泉洋が、その助手を松田龍平が演じている。
見始めてから思い出す。そうだ、このシリーズは痛いんだった。私は基本的に暴力が苦手。この映画はそんな生々しい暴力が結構入っている。見ていると うわぁ痛いと身がすくむ。
こんな生活は身近に無い方が嬉しい。

今回は札幌だけではなく、北海道内のほかの地区でもロケを行い、札幌市長も出演するほど 札幌市もロケに協力的。
映画の中に出てくるいろんな場所が、ここはあそこだとわかるのが面白いし、色々と小道具も北海道限定版のものが多くて隅々が楽しめる。

話の流れとしては えっ!という展開で 最後の納得感がちょいとうすい。
この映画は、そんなストーリーを追うというより ネタやキャラクターを楽しむ映画なのだろうな。
相変わらず 松田龍平君は無意味にかっこいいし、大泉洋さんは情けないなぁと思いつつも最後はかっこよく見えてくる。そんな映画でした。

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阿川さんちのメニュー [映画と本のお話]

エッセイストの阿川佐和子さんの食に関するエッセー「残るは食欲」を読んでいた。
この中にはなかなか魅力的な食べ物が沢山登場するのだが、その中でも家庭の料理として書かれていた大根の料理がとっても気になったので作ってみた。

エッセーの中では非常にさらりとした書き方だったので 自分なりに解釈しております。
<阿川佐和子流 焼き大根>
1.大根の皮をむいて2,3センチの厚さに輪切りにする。
2.鉄のフライパンにやや多目の油を引いて 軽く水で戻した出汁昆布を小さくカットして投入する。
3.火は弱火~中火で油にじんわりと昆布の味を出す。
4.昆布の味が出た所で 1の大根を投入して弱火で焼く。
5.大根の表面にいい焼き色が付くように、じんわりと焼く。蓋はしない。
 焼き目を見ながら 40分ほど焼く。表面に焼き色が付き、ちょい透明に近くなったら塩をふってできあがり。

単に焼いただけなのに非常にうまい。
そう言えば、以前焼き大根にしょっつるを掛けるという料理があった。この料理は油に昆布で味をつけるというところがポイント。そう言えば、あまり大根って焼かないなぁ。
でも、この料理は簡単なのに大変美味しかった。難点は時間がかかる所。平日の料理ではちょっと難しいかな?

こうしてエッセーに載っていた料理が我が家の定番になる事がある。
ジローラモさんのエッセーに載っていた ママンが作ってくれるラグーも我が家の定番になった。
こんな風に 文字でみた物を形にするのってなかなか楽しい。
阿川さん ありがとうございました。

残るは食欲
阿川佐和子著
新潮文庫

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檀流クッキング [映画と本のお話]

最近のDancyuで料理本特集があった。
これに檀流クッキングと言う本の紹介があったので 読んでみる事にした。

これは昭和40年代に新聞に書かれたエッセーをまとめたものだ。
檀さんが 世の中の奥様方に料理の方法を伝授するというものだけど、レシピ本というものとはちょっと違う。料理はほぼ初めてですという人が読んでも これで料理をする事は難しい。
それは、調味料などの量をはっきり書かれていないからなのだ。
檀さんは、ご自分が小さな頃から料理を自分でやられていた方なので、料理を作る時にきっちり計ったりはしない。大体の量は身体が覚えていて、あとは舌で確かめて見なさいといった雰囲気。

そんな上でこの本を読んでみると非常に面白い。
昭和40年代にこの文章が書かれたときには、イタリア料理もフランス料理もロシア料理も日本人の舌でそれ程味が確立されていたとは思えない。そんな時に、ロシア料理などを 家庭でも作りやすいように説明する。また、お肉屋さんで安い内蔵肉などを買ってきて 美味しく仕上げるにはどうすればいいかということを語っている。
料理レシピというよりは、啓蒙書に近いと相方は言う。確かに。

そう言えば、昔はお肉はお肉屋さんで買っていた。
お肉屋さんは豚や牛なども一頭買いしている所も多かっただろうから 内蔵肉や背脂なども頼めば買えたはずだ。豚の内蔵肉を買うくだりで、タンを購入する時は、できればタンから心臓まで繋がった物を買い求めると良いなどと書かれている。さすがに今それはかなり難しいのではないだろうか。
今、私が買うのはトレイの上に乗っけられた正肉が殆ど。たまに、ブロックで欲しいものなどはお肉売場に事前にお願いしてカットしていない物を買ったりするけれど、そんな事をする人だって少数派だと思う。
しかも、スーパーのお肉売場では豚だって内臓ごとお店に納品されている所はかなり少ないのじゃないだろうか。
そう言えば、昔 お遣いに行った頃には ひき肉だって その場で挽いてもらったりしていたなぁ。

逆に、きりたんぽ鍋を説明する所では、自宅できりたんぽを作る所から説明してあり、「東京あたりでは舞茸は手にはいらないかもしれないが、しいたけでもえのきだけでも入れればよい」と言うようなくだりもある。
自分で作るきりたんぽというのも面白そうだが、今は舞茸も普通に手に入るので きりたんぽ鍋もおいしく出来るのだ。

分量などがはっきり書かれていないこの料理本だけど、どれもちょっと自分で試してみたくなる物が多い。自分で試行錯誤してやってみたいのだ。春から夏、秋、冬と時期に添って書かれているこの本を手に、檀さんちの料理を我が家でも試してみたい。

檀流クッキング
檀一雄著
中公文庫


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聖☆おにいさん [映画と本のお話]

何か映画を観たいなぁと思い、事前の情報無しに「聖☆おにいさん」というアニメを観にいった。

これは、無事に世紀末も乗り切ったブッダとイエスが休暇をもらって 下界にバカンスにやってきた。立川に2人で暮らしている。人としてひっそりとつつましく暮らしている物の ちょっとした拍子に「奇跡」を起こしてしまう。というもの。
聖☆おにいさん.jpg
奇跡を起こすと言っても、小さな奇跡で 奇跡を起こしたことが重要なのではなく 基本は淡々と流れる日常の物語なのだ。
ちょっとおねえっぽい2人の会話は、穏やかに過ぎていくのだけど、どこかピントが外れていて面白い。ブッダとイエスが一緒に暮らすなんて これは日本じゃないと成り立たない漫画だろうなぁと思いつつも、その穏やかさが悟った人の物なのだと妙に納得する。

映画を観終わったときに思うのは、大きなイベントが無くても日常って 愛おしく、そんな日常があることがありがたいことなのだと言う事。
日常のありがたさを忘れそうになった時にまた再び観たいなぁと思う映画でした。


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レールウェイズ [映画と本のお話]

DVDでレールウェイズを観た。
これは、エリートサラリーマンが昔あこがれだった地元の電車の運転手になると言うお話。

男の子というのは、何故か乗り物が好きだ。
飛行機だったり、バスや車だったりもそうだけど、電車が一番人気のような気がする。私にはちょっと解らない感覚。電車の運転手さんというのは小さな子供の人気職業なのだろう。
小さい頃 そんな地元の電車の運転手になると言う夢を見ていたはずが、いつの間にか東京でサラリーマンをやっていた。かなり出世しているのだけど、いろんなきっかけで 今の生活を捨てて 昔の夢を追う中井貴一。

そのきっかけの一つが地元に一人残っていたお母さんの入院。
この入院の話が出た時に、仕事でなかなか行けないと渋る中井に大学生の一人娘が言うのだ。「おばあちゃんが心配じゃないの?家族が入院したって言う時に 行けない仕事なんてない!」。
これに対して、「お前も大人になれば解る。社会はそんなに甘い物じゃなんだ」と返す。

この問いかけは なかなか難しい物をはらんでいる。
確かに、家族が入院したというと心配だし 駆けつけたいという気持ちがある。ただ、その時すぐに何もかもを投げていけるかどうかはすぐに答えられない。
だって、逆の事を考えてみよう。その入院した先のお医者さんが「実は母が入院したのでこれから実家に帰らねばなりません。今日の手術は中止です」と言って診察も手術もしてくれないとしたらどうだろう。
帰省する為の飛行機のパイロットが急にいなくなったので、飛行機は欠航です。となったらどうだろう。そんなのは組織として何とかしろとか 他の人が何とかカバーするべきだとか 我慢だって出来るだろうとかそれぞれの立場で言う事は簡単だ。
でも、今の仕事の環境は 人員も厳しく かつかつの状態で回っていることが多い。突然誰かが病気になった、怪我をしたと言って休むと、かなり厳しくなってくる。それでも、納期は守らねばならない。全体にそんな余裕のない社会になっているのだ。
だって、12時~14時で頼んだ宅配便が14時15分になったら烈火のごとく怒る人も居るし、逆に14時までに来なかったら 次の約束への移動ができなくて困ると言う事だってあるのだ。
全てが きちんと動く前提で流れている。

また、突然休みますと言って「いいよ」と言われると 本当に私は必要とされているのだろうかと不安になったりもするのだ。もしかして自分が居なくても滞りなく動いたりするのも怖いと言う気持ちもある。

そんな複雑な気持ちが 社会とかかわり、自分の仕事を全うしつつ、家族への気持ちも行動で表したいとなると、なかなか難しいのだ。

物語の中には1時間に1本の電車だからと、遅れてしまう乗客を待っているために いつも定時より5分、10分遅れてしまう事が美談として語られている。
確かに、待っててもらって乗れた人はありがたい。でも、10分送れたために商談が流れた人も居たかもしれない。遅刻したと学校でおこられたかもしれない。乗り継ぐはずの列車に乗れなかったりしたかもしれない。

宅配便が15分ぐらい遅れたっていいじゃないかと言える余裕、電車が10分遅れたって大丈夫と言える余裕を持っておきたい。

何故このDVDを観たかというと、この映画の舞台である出雲に旅行をする計画だからなのだ。
映画に登場した一畑電車(通称バタ電)にも乗る予定。
とっても楽しみ。

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レミゼラブル [映画と本のお話]

何を今更と言われそうですが、映画レ・ミゼラブルを観に行ってきた。

ミュージカルの映画化なので、歌に乗せて台詞を言う形で進む。舞台と違って 場面転換が出来やすいということと、俳優のアップなどが見られる。この違いはかなり大きい。
ジャンバルジャンが投獄されていた時の映像で アップが出た時に唇が綺麗だということが妙に気になった。着ているものや髪はぼろぼろなので、栄養的にも良いとはいえないだろう時に唇にかさつき一つ無いというのが不思議に思えたのだ。ミュージカルなので、そんな所を見てはいけないのだけどね。

「私は誰?」というのが 全体を流れる問い。
素性を偽って生きている事に対して 自分は誰なのかという事が大きくなってくる。それを見ながら、現代社会において 自分を証明するということは難しかったりということに思い至る。免許証やパスポートなどの顔写真がついた公的証明書が無い場合は 色々面倒だったりする。持っていても、災害でなくしてしまうということもある。
色々な事が口座番号や免許証番号などで置き換えられてしまっている今、「なりすまし」も多くなった。なりすましで多くの事ができる様になってしまった。

物語の中には、学生による革命の場面もある。政治に対する批判から 銃器を取って革命を起こそうとする学生たち。フランスでは、王政から革命によって自由を勝ち取ってきたという歴史がある。フランスの国歌は この革命の際に歌われた歌から出来ている。この為 曲調も強く、歌詞もかなり戦闘的。「君が代」とはまったく違う物なのだ。
余談だけど、スポーツの国際試合でこの戦闘的な国歌を斉唱してから試合をスタートさせるのと、穏やかな君が代を斉唱して始めるのとでは 違いがあるのではないかという話を友人と一緒にした事があった。国歌はその国の成り立ちなどから決まってくるのだろうから そうそう変えられるものではないけれど、国民性の違いというのはそういった一つ一つの積み重ねで出来てくるものなのだろうな。

そんな事を色々と考えさせられた映画でした。

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ムーンライズ・キングダム [映画と本のお話]

ムーンライズ・キングダムは 小さな島で起こった12歳くらいの少年少女の駆け落ちのお話。

とても絵本的に作られている。それは、映像もそうなのだけど、「どうして」そうなったのか、「何故」そんな風になっちゃったのかなどという説明が語られない事が多い事もそう。色々説明しないけど、そうなっちゃったのよという風な作りは絵本っぽい。

1960年代、ボーイスカウトでサバイバル術には長けているけれど、人付き合いには難ありの男の子と、家庭内で「問題児」と思われているエキセントリックな女の子がある時であって 文通をしているうちに駆け落ちしてしまう。駆け落ちの際に女の子が持っていくのは、レコードプレーヤーとお気に入りの本。日曜日の教会用の靴をはき、綺麗なミニワンピ、まぶたは真っ青なアイシャドー。その姿で 山にも木にも登り、谷も降りる。

真っ青なアイシャドーや乾電池式のポータブルレコードプレーヤー、着ている服も60年代感がたっぷり。家のシーンでも ちょっと無骨な木製家具やカーテンなどがかわいい。

ブルースウィルスが非常に人間味のあるちょいお疲れの警官をやっているのがなかなか。それに、主人公の子供たちは あんまりかわいくないのだ。それなのに、見ているうちにだんだんとかわいくなってくるからおかしなものだ。

人は間違いを起こすし、恋にだっておちる。それは大人も子供も一緒。
そんな事を考えながらゆったりと観た映画でした。

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のぼうの城 [映画と本のお話]

私はこの映画の題字と広告用ののぼう様の絵に惹かれて「のぼうの城」を観にいった。

この映画は豊臣秀吉が全国統一をしようとしていた時代に、北条方で最後まで残った忍城(おしのじょう)のお話。「のぼう」というのは、でくのぼうののぼう。領民たちには「のぼう様」と呼ばれていた 成田長親がいかに城を守ったのかと言うお話。

今まで武勲がなかった石田三成が かなり頭でっかちな大将と描かれ、対するのぼう様は 自分では戦才はないものの、人を動かす事が非常にうまい。天然なのか、狙ってなのか この人を盛り立てねばならないとか、この人がいうならしょうがないと思わせてしまう人物に描かれている。

この「のぼう様」は野村萬斎さんが演じる。最初からこの人にあてて書いたのではないかと思わせる。何の役にもたたなそうに見えるのに 憎めない。そして、突飛な行動をしながらも その底にはとても繊細に考えられている(又はその様に見える)行動。
不安定な場所で踊るシーンなども、バランスが悪そうに見えて 最後の最後で危なそうには見えないバランス。ぴょんと飛び上がる振り付け一つとっても これは確かな技術がないと出来ない業だろう。

脇を固める人々も 個性的で、主な家来だけではなく 市井の人々にもそれぞれの楽しみや悲しみ、葛藤などがあるのだと思わせる。
歴史には残っていない人々にも、それぞれの人生があるのだ。
領主の事情で振り回される領民だけど、弱いだけではない。それに、振り回されるのは武家も同じ。姫様の運命もまた 戦次第なのだ。振り回されたとしても、その後が幸せか不幸せかは 後にならないと判らない。
そんな 主人公ではない人々の人生をも思ったのでした。

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スカイフォール [映画と本のお話]

毎週土曜日に放送されているラジオ番組AVANTYで 映画スカイフォールが話題になっていたそうで、相方が観に行きたいと言い出した。思い立ったが吉日。

スカイフォールは007シリーズの最新作で、50周年記念作品らしい。
ラジオで話題になったのは、いくつかの裏話や小ネタ。
いくつか上げると、スパイ大作戦では 作戦遂行の際は動きやすい服装に着替えているが、ジェームスボンドは常に英国スーツで戦う。この為、スーツにはかなりのこだわりがあり、ネクタイが乱れないようにしてあったり、ポケットチーフはスーツに縫い付けてあったそう。
小物などにもかなり気を使っているそう。
スーツで言えば、今の流行もあって かなり細身のスーツを着用している。パンツもかなり細身で9部丈くらい。このスーツも撮影には80着以上を用意したらしい。
そう思ってみると、あっ、ネクタイが乱れていたのに次のシーンでは元に戻っているなどという場面も。
ジェームスボンドと言えば、シェイクのマティーニだけど、今回はマティーニと思われるカクテルを飲んでいる場面は1箇所のみ。それ以外では ウィスキーを飲んでいた。はっきりと銘柄指定。これは スポンサーかな。

ダイジェスト版がHPにUPされているので、できれば見に行く前に読んでから出かけると より楽しめると思う。

作品中、ボンドをはじめとしてMI6が使う車が英国車というのは分かるとして、つぶされていく車が殆どドイツ車というのもなかなか面白い所。

私が思ったのは、情報分野のスペシャリストが 堺雅人に似ていると言う事。弱々しそうなのに、超然として見えるところや雰囲気がよく似ていた。

スカイフォールというのは、土地の名前らしいのだけど、私は英語が得意なわけではないので そのニュアンスが良く分からない。
単なる固有名詞ではなく、場所の持つイメージや もしかするとその土地や言葉にまつわる何かがあるのかもしれない。こんな時に 言葉や文化を知らない事を残念に思うのだ。
セリフの一つ、壁の装飾などにも、私が汲み取れていない意味があるのかもしれない。こんな50周年記念作品と言うようなものの場合は特に。

私の友人で、映画は使われている爆薬の量でその優劣を決める人がいるけれど、彼が見ても納得できる爆薬の量が使われていたと思う。

007は米ソ冷戦の時代とは 大きく趣が変わってきているだろう。それは世界の枠組みが変わってきているから。
今回の敵も「国家」ではなく、「個人」。
今は 狂信的な個人に作られた集団こそが怖い時代なのだろう。
この世の中が闇の部分に触れずに生きていける世界でありますように。

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あなたへ [映画と本のお話]

いつもはつけない時間帯にテレビをつけたらNHKの高倉健さんの特集で その特集を見てしまったとか、半分ほど読んだ所でほおってあった対談集を読み進めると高倉健さんの項がすぐに出て来たとか そんな諸々が重なった。
いろんな事が 私にこの映画を見に行けと誘っているような気がして観に行った。

堅物の主人公 健さんは晩婚で子供もいなかった。奥様との日常は穏やかに過ぎて行ったと思っていた。その奥様に先立たれ、手元に届いた謎の絵手紙から始まる物語。
嘱託で働いているこの職場をやめたら 一緒に旅をしようと計画していたのに果たせなかった。その旅を1人で始める事になる。
であった人々の色々な人生、色々な夫婦の形が垣間見える。他人だからよりはっきりと見えてくるのかもしれない形。

映画を観ながら 色々な人生があるが、自分はどうだろうと考える。
将来に対する「あれもしようか」「これもしようか」という夢と それが実現できるかどうかは解らないという切なさ。それはどんな年であっても 将来が確実に訪れると言う補償はない。
今を大切に、今思っている気持ちを大切な人にはきちんと伝えておかなければと言う気持ちになる。伝えると言う事は大事なことなのだ。

いろんな事を考えた映画でした。

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